かさぶた
いたっ!
ジーっと見ていると、じわっと血がにじんでくる。
いたーい。
またやってしまった。
ついつい、かさぶたを剥がしてしまう。
ペリッと、きれいに剥がれたら気持ちいいなぁと思うのだけど、
やってしまった後に、やるんじゃなかった、と後悔をする。
見える傷は、治ったかどうか、わかりやすいのにな。
そう、治っていると思って、ペリっとしたところが
実は治っていなかったりすると、引きずってしまう。
先週末、土曜日のこと。
記事を書き上げた。
ライティングゼミの、記事の締切日だった。
今週は書けたー、と満足をした。
満足したのに、静かにしていると、ふと湧き上がってきた。
かさぶたを剥がして、血がじわっと滲むように、昔の思い出が。
今季はフィクションを書きたいと思いながらも、結局はフィクションは一つも書けずにノンフィクション、つまりは実体験ばかり書いていた。
もちろん、今回も。
今回の記事は、恋バナ。
もちろん、成就した恋じゃなくて、片想い。
いや、恋とも呼べないくらいの、静かな想い。
あぁ、楽しかったなぁ、と思い出し
でも、ちょっと切ないなぁ、と思い返し
その時の思い出の品を、じっと見つめる。
あぁ、やばい。
かさぶたはすっかり取れて、治っていたかと思っていたのに。
何度もかさぶたを取ったせいで、シミのように、痕として残っちゃってるのかな。
ちょっとここ数日、その時の思いを引きずっていた。
ふとした瞬間に、どうしてるかな、って思い出していた。
今日、仕事が終わってから、携帯を見てみると、
三浦さん(天狼院店主であり、ライティングの講師)から、
掲載OKのコメントが入っていた。
ちょっと、ホッとした。
なんだか、消化不良を起こしていたような気持ちの、
ここ数日間の思いが、消化された気がした。
それにしてもだ、よく考えてみれば、恋と呼べるような思いをしたのは、
その時が最後かもしれない。
ずっと、恋をしていない。
こりゃ、大変だ!
ネタがない!
なーんて、恋の話でライティングのネタにできるのは、
消化はしていていなくても、かさぶたくらいになってないと厳しいな。
フィクションで、恋バナ、書いてみたいなー。
いや、恋バナの前に、反省文を書かなくちゃ!