ボツ記事の冒頭。
やばい。
気づいたときには、手遅れだった。
落ちる涙を拭くためのものを探す。
確か、駅前でもらったティッシュが入っているはず……と、隣の座席に放り投げた上着のポケットを探る。泣いている姿を、他の人に見られたくない。いくら空いている新幹線の中でも、誰が見られるかわからない。えぇっと、どこに入れたっけ。
……見つからない。
それもそのはず。探しているのは右手だけだった。
左手と視線は本から離れない。
涙を流したシーンから、先の結末が早く知りたくて、目が離せない。
『いつかまたお会いできたなら』
あぁ、そういうことだったのか、と思うと同時に、涙が出てきた。
そして、読み進めると、
『ずっと待ち続けるのだろう』
待ち続ける、か。
パチンと、わたしの中で、なにかが弾けたような音がした。
その音と同時に、何年も前の、恋とも呼べないような、ほんのわずかな間のことが蘇る。
社会人になったばかりの、まだ学生の気分を引きずっているようなときのこと……。
あー、出だしはイイと言われたのになー。
ライティングで提出した課題の冒頭。
続き、読みたくなりました?
だったら、嬉しいなー。
昨日まで読んでいた小説を紹介したくて書いたんだけど、難易度は高い。
でも、がんばろっと。