ラジオから聞こえてくる言葉は偉大だった。
夢+努力=現実
すごく昔に聞いた言葉。
もう25年ほど前だと思う。
私のいる世界は、その時はとても狭かった。
家と中学校と……それだけ。
狭い中で……静かに暮らしていた。
私の世界と、広い世界を繋いでくれるのがラジオだった。
あぁ、こんな世界があるんだ。
閉塞感たっぷりの中で、ラジオの中の世界が光だった。
そんなラジオから聞こえてき言葉が、『夢+努力=現実』だった。
初めて聞いた時は、あぁ、夢って現実になるんだな、って思っただけだった。
今持っている夢は、頑張れば叶うものなんだと。
突然、そのことを思い出したのは、さっきまで書いていた、プロゼミの記事の影響だ。
土曜日の23:59までに提出する、毎週の課題。
それを書いていた。
すごく感動した本の紹介をしたくて、書いていた。
その本を読んだときの思いはあふれ過ぎていて、あふれ過ぎた思いは書ききれなかった。たぶん、掲載はNGだと思う。
実は、その記事をいつ書こうか、どう書こうか、ずっと迷っていた。どの視点で書いたら上手く伝わるのか、ずっと考えていた。
迷って、考えているとき、いつも思い出すのは中学時代のことだった。
その感動した本の中の主人公は中学生。
その中学生の女の子は、学校でイジメにあっていた。そして不登校になり、悩んでいた。
最初はファンタジーの世界のことだと読んでいたけれど、読み進めていくうちに、私と重なった。中学生だった私と。
不登校ではなかったけれど、中学の後半、2年生の後半から卒業までずっとひとりだった。信じることのできる友達はいなかった。
そんな中学生時代に救われて、希望の光を見ることができた理由のひとつがラジオだった。
そして、冒頭の『夢+努力=現実』。
大人になれば、夢は夢で終わるんだと片付ける人がいる。
たぶん、そう片付ける人が多数なんだと思う。
私も少なからず、そんな大人のひとりだったと思う。
「こうなったらいいな」という夢を見続ける人。
「こうしたいな」と思うことを実現していく人。
あ。
Facebookでこのフレーズを目にしました。
私が大好きな文章を書く人が書いた、フレーズ。
夢、という不確かなものを、現実にしていくこと。
すごくすごーく難しいことだと、大人になっていく過程で突きつけられて、そうなんだと思わざるをえなかったこと。
それでも、そんな中でも夢を現実にする人がいる。
それはプロスポーツ選手だったり、芸能人だったり。
確かに、そんな夢の世界のことは、現実的ではない。
目にしたことのない世界なんだから。
でも。
目の前で、夢、という不確かなことではなく、思い描いたことを現実にしている人がいる。
「こうしたい」と言っていることを、実現している人がいる。
そんな人たちは、ずっと遠い世界にいるものだと思っていた。
実際、夢を実現している人たちは、遠い世界にいて、会うことすらなかった。
……それがどうだろう。
ここ、何年か。
本当に、ここ5年くらいに出会った人たちで、「すげー」って思う人たちは、やりたいことをやっていて、さらにその先の夢に向かって前進をし続けていて、実現できるものだと疑わずに日々を過ごしている。
その勢いは、加速している。
そんな人たちと接していると、私も何かできるんじゃないか、という気持ちになってくる。
大丈夫、できるできる。そう言ってくれる。
私は、何ができるのだろう。
私がやりたいことって、何なのだろう。
本当にしたいことは、何だろう。
手に届きそうなところにあるのに、手が届かないもどかしさ。
何かできるんじゃないか、と思うとすぐにやってくる、あんたに何ができるんだ? という言葉。
ずっと、ここ数年は、仕事をしている私が日常の自分で
それ以外のことが非日常なことだと思っていた。
最近、何が日常で、何が非日常なのか、よくわからなくなってきた。
給料をもらっている仕事は、もちろん今の本職なんだけれど、
それ以外のこと、文章を書いていたり、写真を撮っていたり、本職以外の人と会っていたりする時間は非日常なのかというと、そうではない。
それ以外のことも、もう日常になっているのだ。
月に何回か京都を訪れることも日常になっているし、自分を高めたいと思って参加している勉強会だって日常だし、ふらっと旅をしている自分も日常なのだ。
非日常だと思っていたことが日常となり、もうそれなしでは生きてはいけなくなっている。
会社と家との往復だけでは、満足できない自分がいる。
このまま、会社に居ていいのか? と、思っている自分がいる。
その反面、会社を出て何ができるんだ? と問う自分もいる。
夢って、なんだろう。
トップスピードの人たちと、肩を並べて同じ景色を見るためには、どうしたらいいんだろう。
なんか、会社で1分単位の残業のはなしをしている自分が、ちっちゃすぎて情けない。
ただ、これだけは言える。
私は今、夢を探している。