ココロのアルバムを開いてみた夜。
高校の同窓会会報が届いた。
名古屋の中ではそれなりに歴史のある高校だ。
高校の前身である、五中時代の卒業生には江戸川乱歩とか杉原千畝がいるらしい。
「へー」という程度の話だけど。
その会報の中に、「今後は卒業から5年、10年、20年、30年という節目に、会報をお送りします」となっていた。
「へー」と思って、通り過ぎた。
通り過ぎて、3つ目の角くらいまで行って、何か忘れ物をしたような、違和感があることに気づいた。
……あっ!
20年?
卒業してから20年ですと?
あちゃー。
まじかー。
そんなに経つ?
計算をすると、間違いはないのだけれど、納得がいかない。
だったら、どうすれば納得するかって?
「じゃあ、まあ、15年ってところにしておきます?」
なんていったところで、納得できるわけではないし。
仕方がないので、現実として受け止めることにいたします。
セーラー服を着て、スカートを短くして、ルーズソックスを履いていたのが20年前。
プリクラを手帳にいっぱい貼っていたのも20年前。
友達のたまごっちが面白いキャラに変化して、授業中に大爆笑したのも20年前。
演劇で、ゴジラになったのも20年前。
20年も前のことなんか、いろいろ忘れているけれど、
覚えていることが少ないわけではない。
「おはよー」
高校の自転車置き場で、片想いの彼に挨拶したときのドキドキや、
その後、教室までの短い時間を並んで歩いたときのトキメキ。
今でも、その空気感を思い出すことができる。
その頃には想像できなかったくらい、めちゃくちゃおばさんになってはいるけど
ココロの中はそんなには変わらないものなんだな。
もし、その人とすれ違っても、お互いわかんないんだろうな。
でも、ちょっとだけ会ってみたいなって思う。
今なら友達くらいにはなれる気がする。
いや、やっぱり恥ずかしいな。
とりあえず、ココロの中のアルバムは、閉じておくことにする。