旅先で、話しかけられる女。

「Excuse me?」


うぉっ。

ま、まさか。


声のする方を振り返ると、ニコニコしたお兄さん2人組。

英語で話しかけてくる、アジア系のお兄さん。


あー、まただ……。


そう、また。


よく旅先で声をかけられる。

声をかけられるといっても、ナンパではなく、道を聞かれる。

前は、おばちゃんとかおばあちゃんとか、日本人だったのが、海外の方にも聞かれる。

以前の様子はこちらから

http://tenro-in.com/mediagp/38503



今日は、伏見稲荷にいた。

朝は天狼院のフォト散歩に参加をしていて、解散後にふらっと来た。

連休というのもあって、人が多い。

本当は千本鳥居をゆっくり散歩したかったけれど、民族大移動のような人混みで断念。

本殿をお参りして、軽く写真だけ撮った。


そうだ、今日は御朱印帳を持ってたんだ!


御朱印帳を持っていたことを思い出し、いただける場所を探す。


あ……マジか。


御朱印をもらうのも長蛇の列。


でも、せっかく来たし。

わざわざ持ってきたし、御朱印帳。

3人で対応しているし、すぐだよね。


と、並んでいたところに、

「Excuse me?」


あー、悪夢再び。


私は英語が不得意。

高校英語で挫折してから、センター試験でも散々な結果。

TOEICでも、400点ほどと、鉛筆を転がして適当にマークしても取れるような点数。

ゆっくり話してもらって、ギリギリ何を言っているかが聞き取れるレベル。

おおーなるほど。

そう思っても、答えが英語で返せない。


あれ?

でも、私は御朱印をもらうために並んでる。

伏見稲荷の境内の中。

お兄さんたちは道を聞きたいんじゃないのかい?


私の御朱印を指差し、何か、言っている。

なんだろう?


私の御朱印帳を指して

「ウォント トゥー ブック」


あ! 御朱印帳が欲しいのか!

そうかそうか。


えーっと……。


ここ、御朱印帳は売ってる?


御朱印をいただける場所でも、御朱印帳が置いてあるとは限らない。

御朱印、紙じゃダメかな。

うーん。


「オンリーペーパー?」

「want to book」


ですよねー。

御朱印帳が欲しいんですよねー。


「ゆーうぉんとぅーぶっく?」

「yes!」


あは、やっぱり。

ちょっと待ってね。


「売ってるかどうか、わかんないのよねー」

「sorry……」


いや、そんなあからさまにがっかりしないでー!

日本語はわからないんだよ、というがっかり感と、この人に聞くんじゃなかったというがっかり感とが混ざってるぅ。


いや、売ってるかわかんないだけなのね。

ちょっと待ってね。

列の先の方が、なかなか見えないのよね。

御朱印帳、売ってるかなー。

首をながーく伸ばして、列の先の方を見る。


あ! あるよ!

「おっけーおっけー」

「oh thank you!」


あ……めっちゃ嬉しそう。

よかった。

無事に御朱印帳がゲットできそうだ。


とはいえ、ちょっと心配だったから、自分の番が回ってきたときも隣を気にしながら見てた。


指差して、やり取りをしていて、無事にゲットできそうだと確認をして、安心した。


御朱印をいただいた後に、御朱印帳をリュックにしまっていたら、

「Thank you!!!」

と、ゲットした御朱印帳を手にして、最高の笑顔を見せてくれた。


よかった。

あれで、いっぱい御朱印をもらって帰るのかな。


あーあ、英語、話せるようになりたいなー。


それにしても、よく聞かれるよなー。

私だけじゃないのかな。