原木の正体。
「原木、持っていきます!」
原木?
げんぼく、って読むんですよね?
原木といえば、シイタケ?
シイタケの原木持ってくる!?
忘年会をやります。
と、お酒を呑む場で知り合った、お酒が大好きな人たちの忘年会が開催された。
Facebookでイベントページが作られていて、そろそろですねー、というある日。
「原木を持っていきます」
と、投稿された。
原木って、なんやねん!
と、ひとりで突っ込んでみたけれど、さらっと忘れていた。
いや、忘れていたわけじゃないけど、飲み物も食べ物も持ち込みでの会だったので、自分が何を持っていこうかという方が気掛かりだった。
なかなか飲み歩いてきている人たちの集まりっぽいし、悩む。
最初、一升瓶の日本酒を用意した。
飲んだことのない銘柄だったので、味見も含めて2本買って、これなら大丈夫。と、納得していた。
けれど、よくよく考えてみると、ちょっと問題が浮上した。
忘年会は京都で開催される。
持っていくということは、一升瓶を抱えて新幹線に乗らなきゃいけない。
うーん。
頭の中でシミュレーションをしてみたけれど、頭の中の理性が却下の判断を下す。
一升瓶を断念した私。
原木を持ってくる人。
……。
いや、原木って何さっ!
原木=シイタケ
こう思っていた私は、まさかの出来事に、驚かされた。
原木の正体は、生ハムの塊。
ほら、イタリアンレストランなんかで、カウンターに置いてある、あれ。
こっから切り出すのかーって、初めて見た時には驚いたけれど、いや、コレって持ってこれるの?
どこで買うの?
えー、食べれるのー?
まあ、要は、生ハム食べ放題ってこと。
切り出せば、切り出した分、食べられる!
テンションMAX!
わーい!
そんなわけで、生ハムの原木を手に入れた私たちの宴会は、盛り上がるのであった……。