あきらめる。

「あきらめる」という言葉を知ったのは、いつだろう。

 

無理だと思ったり、

自分にはできないと判断したり、

時間がないからと言ってみたり。

 

しかたないか。

 

そんな言葉と共に、もう考えないことにしてしまう。

そして初めからそんなことなかったかのように、時は過ぎていく。

 

これまで何度、あきらめてきたのだろう。

そしてこれから何度、あきらめていくのだろう……。

 

 

いま、やりたいことがある。

 

たぶん、やらなかったら、これからずっと後悔するだろう。

でも、そのやりたいことをやるためには、できなくなることもある。

その、できなくなることも、あきらめたくはない。

 

二兎追うものは一兎も得ず。

 

どちらかをあきらめることで、そのとき選んだことがうまくいかなかったら、それはそれで悩むのだろう。

あっちを選んでおけばよかったなぁ、と。

 

どっちもあきらめない方法はないのだろうか。

 

全兎、追う。

そして、全兎捕まえる。

 

それができればいいのではないのだろうか。

できない気は、しない。

 

考えよう。

たくさん考えよう。

その先に、なにかいい考えがあるはずだ。

 

 

……さて、お腹がすいた。

ごはんにしよう。

浄化された心の中は。

「最近は書いてなくて……」

「さぼってるんですよねー」

 

元々はライティングの人です。

なんて自分を紹介した後の、続く言葉がそんなんだった。

 

週末、天狼院書店の旅部イベントで、里山十帖へ行った。

ある程度、天狼院に通っている人なら、里山十帖と聞いたら「おぉっ!」と思う場所である。

少なからず、私はそのうちのひとりだった。

 

愛用の一眼レフカメラを持って、撮る場所を探してウロウロしてると、天狼院のキッカケは、カメラだと思われる。

いや、違うんですよー。

元々はライティングからで……

ライティングやっているんです。

 

あれ?

 

ライティング……やって、いた?

 

え?

 

いた?

いる?

どっち?

 

ライティング、書くことの勉強を始めたのが2016年の12月。

2年と9ヶ月が経った。

それは、「もう」なのか「まだ」なのかはどっちなんだろう。

長い気もするし、それだけしか経っていないのかとも思う。

 

2月に名古屋から東京に転勤してきて、半年。

ひとりぐらしに慣れることに、職場に慣れることに、仕事に慣れることに、満員電車に慣れることに……。

とにかくあらゆるものに慣れることに必至で。

非日常を、日常に変えていく作業が山積みだった。

仕方ないよ。

だって、ちゃんと仕事しなきゃいけないし、ちゃんと生活しなきゃいけないし。

大丈夫だよ。

私できるし、時間できたらいろいろやれば。

仕方ないよ。

 

仕方ない、仕方ない、仕方ない。

ほんとうに?

 

山積みされた作業をこなすことに目がいって、時間を確保するために、どうしても書くことや撮ることがおろそかになっていた。

おろそかになっていた、というよりも、欲求が湧いてこなかった。

 

書きたい。

撮りたい

 

あんなに強く思っていたはずなのに、心が静かに穏やかになってしまっていた。

湖の湖面のように。

 

 

里山十帖で、綺麗な空気の中で深呼吸をした。

「最近、書いていなくて」

そう答える。

答えるたびに、胸がチクッとする。

何度もそう答えて、そのたびに痛んだ。

 

 

帰りの上越新幹線の中で、シートに身をうずめ、目を閉じる。

 

 

あぁ、そうだったか……。

 

気づいてしまった。

 

私の心の中は、穏やかな湖になっていたんじゃなかった。

静かでいなくちゃと、上流からくるものを止めた。

穏やかでいなくちゃと、下流への流れを止めた。

その結果、湖なんてキレイなものではなく、澱んだ泥沼になっていた。

ただただ留まるだけの、何の流れもないものに。

 

自分でも気づかないうちに、フタをした。

 

それが綺麗な空気で浄化され、ストレスもなく過ごし、頭で考える言葉じゃなくて、心から出る言葉に癒され、自分が欲しい情報を手に入れる。

 

流れ出した。

流れ始めてしまった。

 

ヤバイな、これは。

 

 

……と、書いていたら、帰りの電車で降りるはずの駅を、降りそびれてしまった。

 

まぁ、いいや。

少し遠回りをして帰ろう。

 

遠回りをしても、悪くない。

寄り道だって、怖くない。

 

もう流れ始めたんだから。

酔っ払いの戯言。でも……。

深夜に、あした提出の課題を書こうと思って、MacBook Airを開いた。

でも、どうしても、あした提出する記事よりも、書きたいと思うことがある。

もしかしたら、酔いが覚めたら「おいおい」と思うことなのかもしれないけれど

それでも、今書きたいと思うことを書くことの方が大切な気がする。

(具体的な内容は、ほおっておいてください)

 

 

異動して、3週間が経った。

 

新入社員の頃から部署を変わったことがなく、異動ということも初めてだった。

ただ、それ以上に一人暮らしも初めてだったことが大きい。

この3週間、Facebookには作ったご飯を投稿したりして、

それなりに一人暮らしが充実している感を出していた。

でも、本当のところ、生活の基盤を整えることに必死だった。

今まで、実家暮らしで家事をしなくて、仕事だけしていればいい生活だった。

でも、一人暮らしを始めた今は、放置しておいたら着るものがなくなってしまう。

ご飯だって、誰も代わりに作ってはくれない。

コインランドリーやクリーニング、スーパーやコンビニというものもあるけれど

やっぱり、ちゃんとした生活をしたいという気持ちがある。

今日は洗濯しないと。買い物もしないと。

仕事を少し離れると、帰ってからあれやってこれやって、ということが頭に浮かぶ。

 

そんな中でも、ちゃんと仕事をすることができたのは、

赴任した部署の人たちが、いい人ばかりだからだ。

初めは、会議に出ていて、起きていることを把握することで精一杯だったのが

かじる程度にわかるようになったら、なんだか口出しせずにはいられなくなった。

つい、口に出していったことも、生意気だと捉えられることもなく、

ちゃんとした意見として聞いてくれる。

「一員として、迎え入れてもらっている」

と、多くの場面で感じることができた。

 

私だったら、

「わからないやつは、こっちの話を聞いておけばいい」

と、思ったりするだろうし

「これまで積み上げたことを崩すんじゃないよ」

と感じるかもしれない。

でも、そういうことを一切感じることもなく、過ごすことができた。

まだ赴任したばかり、という保険がきいていたのかもしれないけれど。

 

で、今日、歓迎会を開いてもらった。

 

改めて、私は人に恵まれているんだと思えた。

私の周りにはいい人が多い。

関わっている、メンバーの人たちは、素敵な人たちだ。

ほとんどの人たちが、大先輩。

私なんか足元にも及ばない、いろいろな経験をされている。

そういうことを、さらっと自然に、話してくれる。

そんな人たちと関われて、私という存在を知ってもらえて、

そして仕事を一緒にしてもらえる。

嬉しすぎて、仕方がない。

(まだ、仕事らしい仕事もしていないけれど……)

 

更に、この歓迎会での収穫もある。

私の後にメンバーに加わった方がいる。

他の業界から、うちの会社に新しく入った人。

私もその方も、メンバーに加わったばかりで、

なかなかゆっくりお話しすることもできなかった。

今日、隣の席だったということもあり、話すことができた。

 

そして感じたことは

「なんか、おもしろいことになりそうだ」

と、いうこと。

まだまだ、漠然としかしていないけれど、

まだまだどうなるかわからないけれど、

今すごく、楽しい。

 

いつか、これを読み返したとき、この直感は当たってた、って言いたい。

 

しばらくは、仕事方面に、フルスロットルでいこうと思います。

 

セブンス・サイン 行動心理捜査官 楯岡絵麻

積ん読、すごくない?

 

住まいを移すことになるので……と、

散らかりまくってる部屋の様子を観察する。

実は部屋が散らかりすぎていて、

ここ1年半くらい自分の部屋で寝ていない。

片付けようにも、いつも挫折。

あぁ、片付けられない女……。

バツなし独身アラフォーの現実……。

仏間で、母と布団を並べて寝ている。

 

さすがに、部屋をこのままにはしていけない。

この部屋の散らかっている原因は。

 

本なのです、本!

服を買うときなんかは、例えばヒートテック1枚でも

「まだ、去年のが着られるよな……」

と悩みつつ買うのをやめてしまったりするのです。

本だけは、悩んだ末に買うことが多い。

ここ1年くらいか、更に拍車がかかり、欲求のまま購入している。

出合っても、次に出合えるかどうかはわからない!

そんな感じで買い続けていたら

1年半くらい前に新しく作った本棚からは軽く溢れ

新しく購入した小さい本棚からも溢れ

積ん読タワーと読んだ後タワーが、合わせて3つか4つ。

買うスピードに読むスピードが追いついていないし。

 

そんな中、読み終えたのが

『セブンス・サイン 行動心理捜査官・楯岡絵麻』佐藤青南

 

エンマさまシリーズ、最新作!

 

エンマさまと呼ばれている、楯岡絵麻。

彼女の前では、犯人は悪いことは全て正直に話してしまう。

行動心理を巧みに使い、自白の取り調べでは彼女に敵う人はいないという。

私の好きな、警察サスペンスのシリーズもの。

7作目……。

あれ、本棚に1冊足りない。

読んで、ない?

 

「あなたの大脳辺縁系に聞いてるの」

そう言いながら、取り調べを進めていく。

絵麻さんのマイクロジェスチャーと呼ばれる、小さな行動を把握する力がものすごい。

「いいえ」と首を振っているつもりでも、首を振る前の0コンマ何秒かの頷く仕草に気づく。

捜査一課の中では異様な、モデル並の見た目も武器にする。

油断をさせて、相手の癖をサンプリングする。

彼女の的になったら最後。

必死で隠そうとしているのに、大脳辺縁系は素直な行動をしてしまう。

 

そのあたりの描写力がたまらない。

読んでいると、映像が頭の中に浮かんでくる。

自分も本の中の犯人の、心を読んでいるかのような感覚になってくる。

 

もうひとつの魅力は、絵麻さんの相棒の西野。

バカ正直とは彼のことだというくらい、真っ直ぐで単純。

キャバクラ好きで、キャバクラのおねえちゃんに対して、絵麻さんの力を自分の力のように語り楽しんでいる。

もう、愛すべきサブキャラ。

 

 

去年、ドラマ化もされているようです。

いやー、私の中では栗山千明じゃあないんだけど。

観てもいないくせに、どうとは言えませんが。

そう言いつつ、実写化されたのをホントは観たかったんだけど、録画するのを忘れたの……。

 

 

さて、この本の山、どうするかな。

あ、足りない1冊、買わなきゃ!

母さんのコロッケ

やっちゃいけないと思ってたんだ。

でも、やっちゃったんだ。

 

本を読むときに、これ絶対ヤバイやつ! と、感じることがある。

そんなときは、構える。

もしくは、備える。

 

準備がないと、大変なことになる。

 

そうして、やっちゃったのが、今回の

『母さんのコロッケ』喜多川泰

 

明日、この本の著者である、喜多川泰さんの講演会に行きます。

愛知県の半田市というところで開催されるのです。

毎年、1月に行われていて

私が半田で講演を聴かせていただくのは、3回目。

今回は、初めてスタッフとして参加させていただきます。

で、ここでコロッケを販売するというので、コロッケといえば……これか!

ということで、買っていたのに、まだ読んでいなかったこの本を読みました。

 

さくさくっと、読み進めて。

ヤバイと思っていたので、なるべく気持ちを落ち着けて読んで。

細心の注意を払っていたのに。

 

ラストが気になってきたので、会社の休憩中に読んで……。

これがいけなかった。

気が緩んでいました。

 

あっ。

 

もう、ダメですね。

涙が止まらない。

 

続きが気になる。

涙が気になる。

なんなら鼻水も気になる。

 

うー、と静かに言いながら、読み終えました。

 

 

自分のルーツ。

 

考えたことありますか?

両親から生まれ、両親はそのまた両親から生まれ。

命は繋がり、繋がれていくもの。

 

平和な世界で、日常の中に命の危険を感じることなどない、この世界。

だからこそ、考えるべきことがある。

 

 

「すべての人間に使命があり、それを果たすために必要なものはちゃんと持って生まれている。

自分が持ってこなかったものを嘆く必要はない。

自分の使命を果たすために必要ないと自分で判断しておいてきたものだから」

 

あれがない、これがない、と言う人がいる。

それは、あの人がやってくれないからだ、と言う人がいる。

 

ないことを数えてもキリがない。

どうしても「ない」ことに目がいってしまう。

 

でも。

 

あることを集めていく方が、あるものを数える方が断然面白い。

「ない」ものは、「ある」人に助けてもらえば、いいんだ。

だから、人と人はつながっていく。

 

 

明日は、素敵な人たちと繋がります。

今から楽しみで仕方ない。

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潜る女 アナザーフェイス8

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今年は読書日記を始めようと思います。

ただ通り過ぎていく本たちを、少しでも残しておきたくて。

どこまで続くかわからないですか、ゆるーく見守っていただければと。

 

2019年最初に読み終えたのは、

『潜る女  アナザーフェイス8』堂場瞬一

アナザーフェイス、第8弾。

昨年の終わりから読み進めていて、先ほど読み終わりました。

 

サスペンス好きなんですよねー。

特に刑事モノが好きで、さらにシリーズとなると好きが増幅されます。

 

最初の1冊目を手にしたのは、シリーズが続いてるのなら面白いのかな、という理由からでした。

もう、私の大好きな感じです。

 

刑事モノって、事件は殺人だったりするから悲惨なもので、気持ちもズドーンと落ち込みがちになるけど、そこを登場人物がカバーをしてくれる。

主人公の大友さんと、その同期の柴さんと高畑さん。

その3人の関係性が、いい。

私もそんな同期が欲しい。

そう思わせてくれる。

 

その中でも、今回はなんといっても高畑さん。

かっこよくて強い女性の象徴の高畑さんが、女としての弱さを出してしまう。

しかも絶対に出したくなくて隠していたのに……。

もういいよ、我慢しなくていいから。

そんなときだってあるよ。大丈夫だから。

だって私だって、いろいろあったよ。

誰にも言っていない、言うつもりもない、いろいろなこと……。

隣でそっと、声を掛けたくなってしまいました。

 

大友さんの息子の優斗くんの成長ぶりも、このシリーズの楽しみのひとつ。

絶対、学校でモテてるよ、この子。

性格が良すぎる。

 

それにしても、改めて見ると、『潜る女』ってタイトルはなかなかですよね。

読み終えてからなら、あぁ、そうね、ってことにはなるんですが。

 

さて、確か次のんも買っていたはずなので、続きを読み進めることにします。

もう少しで、壊れてしまうところだった。

読みたくない……。

 

気分が乗らない。

疲れてる。

だから文字が頭に入ってこない。

 

ここのところ、そんなときがあった。

いろいろな言い訳をくっつけて、ペタペタ固めて硬い殻になってしまっていた。

その殻の中でダラダラ過ごす。

でも、そうやって過ごした後には必ず気持ちが重くなる。

あーあ、またやってしまった……と。

 

夏の終わりから秋が深まってくる頃、仕事が山積みだった。異動や産休で、人も少なくなった。

残業に休日出勤が祭りのようにやってきて、自由な時間が少なくなった。

この時期を抜ければなんとかなる。

わかっていたから踏ん張ってはいたけれど、崩れる寸前だったと思う。

常に頭がキューッとしてる感じがしていたし、なんだかだるい感じが続いていた。会社で話していても、いつもなら心にしまっておけることが口から飛び出てしまうこともあった。

ストレスが溜まることって、こういうことなんだなと思った。

抜け道が見つからないままいたら、たぶん心は壊れてしまうんだろうなと、客観的に思った。

 

定期的に会社で行うストレスチェックでは

『ストレスに強いです』

という診断が出る。

そんな私がこんな風になるんだから、たぶんよっぽどだったんだろう。

 

秋が終わりに近づいて、仕事は少しずつ落ち着いていった。

最近、やっと元に戻ってきた気がする。

リハビリがひと月くらいかかった。

 

 

「読みたくない」と、思ってたもの。

 

本当のところ、漫画とか小説とか、そういうものはいつもより少ないものの、読んでいた。

全く読めなかったのは、他の人の記事。

 

いま勉強している、文章を書くこと。

毎週、課題を提出するのだけれど、今期の9〜11月はなかなか思うように書けなかった。

時間をうまく作れなかったのと、力が足らなかったのと。

書いて提出しても、なかなかOKが出ない。

すべて言い訳。

 

一緒に勉強している人たちはガンガン提出して、ガンガン掲載されている。

その、他の人が書いている文章が読めなかったのだ。

 

でも、昨日。

今期の最終の課題提出日。

なんとか書けた。

まぁ、OKをもらえるかはわからないけれど、それなりに書けた。

そうしたら、他の人の投稿をすんなり読むことができた。

そして素直に面白いなー、と思うことができた。

 

なんなんだろう。

余裕ができたから?

なんなんだろう。

暇だったから?

 

なんなんだろう。

なんなんだろう。

 

あ。

そうか。

 

私、嫉妬してたんだ。

他の人に。

自分がやってないことを棚に上げて、

同じ戦場にも立てていないのに、

いいなーって羨ましがってただけで。

ただ嫉妬をしていた。

 

嫉妬をするということは、嫉妬する相手がいるから。

でも、そもそも相手を間違っている。

私が戦わなくちゃいけない相手は、私なのに。

 

書くことの勉強のために、毎日ブログを更新しようと思っても三日坊主になってしまったり

今日こそは、仕事から帰ったら書こうと決めても、ゲームに走ったり

休日には絶対やろうと決めたはずなのに、だらだらスマホをながめて過ごしたり。

 

自分との約束を守れていないのは、私なんだ。

 

書くことも、撮ることも、中途半端で

仕事だって、明日やろうと先延ばしにして

それなのに、周りの人に嫉妬するなんて、そんな資格なんてあるはずない。

 

 

最近、ちょっと周りの風が変わってきている。

その風が私にもかすっていて、すっと襟を正すことができた。

 

 

そうか。

すっかり忘れていた。

 

ただ、楽しいと思う方向に進めばいいだけだったんだ。

だらだら時間が過ぎるのを待っているんじゃなくて

血液の流れが2倍くらいになるくらい、ドキドキする方向に進めばいいんだ。

 

2018年も残り1ヶ月。

ここ数ヶ月の遅れを取り戻す!

 

硬い殻を、やっと壊すことができたみたいだ。