珈琲がこんなに好きになるなんて。
大好きな喫茶店がある。
正確に言えば、珈琲豆屋さん。
そのお店が、遠くて本当によかったと思う。
名古屋に喫茶店はたくさんあり、喫茶店の街といってもいい。
全国展開をしているコメダも、車で15分くらいのところに本店があり、行くことも多い。
コメダは好きだけど、大好きじゃない。
その、大好きな喫茶店に行こうと思うと、名古屋から近鉄特急に乗っていくか、新幹線から近鉄に乗り継いでいくか……。
どちらにしても2時間以上かかる。お金もかかる。
それでも、行きたい。
行けて、月イチ。今回は何ヶ月かぶり。
「今日はパナマで」
そう出された珈琲。
カップを口につける。
「あー美味しい」
ため息とともに「美味しい」の言葉がでる。
もうひとくち、もうひとくち、そういってすぐにでも飲み干したくなる。
でも、それはぐっと我慢をする。
ゆっくりと冷めていく珈琲。
冷めて変化していく味をゆっくりゆっくりと楽しむ。
熱いうちは、珈琲の香りを楽しむ。口にして鼻に抜けていく香りがたまらない。口に残る嫌な酸味は全くない。
ぬるくなってくると、珈琲の個性が出てくる。今日の珈琲はサラサラしている。
そして、冷めきってしまっても珈琲は美味しい。
間に飲む水でさえも、美味しく感じさせてくれる。
そして、いつまでも余韻に浸れる。
実際、最後の珈琲を飲んでから1時間も経ったというのに、まだ香りを感じられる。口の中にいつまでも残ってくれる。その残る香りに嫌味なものは全くない。
普段、眠気覚ましに、と飲む珈琲とは完全に違う飲み物なのだ。
本当に、このお店が遠いところにあってよかった。
近くにあったら、恐ろしいことになる。
時間ができれば珈琲を飲みにいく。
そして、時間の限り、居座る。
「また来たんだ」
そう思われる客になってしまうことは間違いない。
関西に行くたびに、珈琲飲みたいなと思わせる。
でも、今日は時間が……と諦める。
やっと、何ヶ月ぶりかに行けました。
やっぱり、美味しいです。
いつでも、思い立ったら美味しい珈琲を飲める。
なんて最高な環境なんだろう。
奈良の生駒に住んでいる人が羨ましすぎる。
いちいち、行きたくなるお店。
「喫茶イレブン」
近くにお住まいの方は是非。
そして遠くても行く価値はあります、絶対に。